テンポ、声、空間

Slowed、reverb、sped up:聴き慣れたフォンクが違って聞こえる理由

Slowed、sped up、reverbで何が変わるのか。テンポ、声の高さ、ベース、空間の感覚の違いを知り、NO LIMITS PHONKのオリジナルを聴いてみましょう。

暗い背景に、密度の異なる光の軌跡を伴う3つの磁気テープのリール。
ノートと目次

リスニングノート

  • Slowedとsped upは再生速度を変え、reverbは空間の感覚を加えます。
  • テンポを変えても音の高さを保つことはできます。結果は処理方法によって変わります。
  • このページの試聴例は、NO LIMITS PHONKのオリジナル録音です。

聴き慣れたメロディーも同じ声も、印象は変わります。Slowedではフレーズが長く続き、sped upではドラムが次のアクセントへ早く進みます。Reverbは音の周りに空間を感じさせます。これらをひとまとめに呼ぶのは簡単ですが、働き方はそれぞれ異なります。

Slowed、slowed + reverb、sped upの意味、耳で違いを聴き分ける方法、そして先にオリジナルを聴くとよい理由を見ていきましょう。以下のNO LIMITS PHONKの例は公開済みのオリジナルであり、実在しないリミックスではありません。

3つの呼び名、それぞれの変化

Slowedやsped upという呼び名が、決まった速度を指定するわけではありません。名前だけでは正確な処理設定はわかりません。また、reverbは速度を落とすことではなく、元のテンポの録音にも加えられます。

音が変わる3つの方法

Slowed

録音を遅く再生します。単純に再生速度を変えると、声や楽器の音の高さも下がります。

聴き比べるポイント打音の間の余白、音節の長さ、ベースが入る位置。

Sped up

録音を速く再生します。音の高さを保つ処理をしなければ、声や楽器の音は高くなります。

聴き比べるポイントアクセントの頻度、フレーズの長さ、声の明瞭さ。

Reverb

徐々に消える反射音が加わり、部屋やホールなどの空間を感じさせます。

聴き比べるポイント声や打音の後に残る響きと、音が近く、あるいは遠く感じられるか。

速度と音の高さは別のもの

録音を単純に遅く再生すると、テンポと音の高さの両方が変わります。速く再生すれば逆の変化が起きます。一方、音声編集ソフトでは音の高さを保ちながら時間を伸ばすこともできます。そのため、slowedの声が必ず低くなるとは限りません。処理方法によります。 [1] [2]

簡単な計算をしてみましょう。仮に2分の録音を0.8倍速で再生すると、長さは2分30秒になります。1.2倍速なら1分40秒です。仮にテンポが120 BPMなら、それぞれ96 BPM、144 BPMになります。これは数学的な例であり、私たちの楽曲の測定値ではありません。 [1]

覚えておきたい点として、「20%遅くする」と長さは20%ではなく25%増えます。新しい長さは、元の長さを再生速度の倍率で割った値です。Slowed版が映像のシーンの長さを大きく変えうる理由も、この計算でわかります。 [1]

Reverbが加えるもの

声が止まった直後に耳を傾けてみてください。その後ろで音が少しずつ消えていくなら、空間を感じさせる残響が聞こえています。Reverbは元の信号に反射音を混ぜます。そのバランスによって、音を近く感じさせたり、シーンの奥へ遠ざけたように感じさせたりできます。 [3]

長い残響は間をつなげますが、短い音の細部を覆うこともあります。フォンクではこのバランスが面白いところです。ドラムは明瞭か、ベースの音を一つずつ聴き分けられるか、短い声の挿入は理解できるか。空間を広げれば必ず表現力が増すわけではありません。残響のない打音と遠くに聞こえるメロディーの対比が、印象を生むこともあります。

Slowed + reverbは、動きを遅くすることと空間を加えることの2つを組み合わせます。片方がもう片方を代わりに果たすことはありません。

まずはオリジナルを聴く

NO LIMITS PHONKの作品では、声の役割もさまざまです。MY MOVEには声の入った6曲が収録されています。FULL CONTROLでは短いラジオのフレーズを使っています。話し言葉も声であり、アルバム全体を言葉のない音楽とは呼べません。

まずMY MOVEのLAST TRAINを聴き、声のフレーズの長さと言葉の間で音楽がどう進むかを追ってみてください。次にFULL CONTROLのRESURGEを聴き、短い声が曲のどこに配置されているかに注目しましょう。目的は、音楽と声の元の関係を知り、別のバージョンを比べる基準にすることです。

複雑な道具を使わずにバージョンを比べる

声が入る瞬間や主旋律が戻るところなど、わかりやすい一節を選びましょう。オリジナルと別のバージョンを、同じくらいの聴きやすい音量で比べます。音量が大きいだけでも印象は変わるため、処理による違いを判断しにくくなることがあります。

誰にとっても正しいバージョンを一つ選ぶ必要はありません。オリジナルは比較の基準になります。公開されたテンポ、声、空間の組み合わせを聴くことができます。

4つの点を自分に問いかけてみましょう。

  1. 変わったのは速度だけですか。それとも声の高さも変わっていますか?
  2. フレーズの終わりはすぐに止まりますか。それとも長い響きが残りますか?
  3. 個々の打音やベースの音を聴き分けられますか?
  4. 新しい動きは、音楽に求めていた雰囲気に合っていますか?

自分の動画で音楽を使うなら?

単体で聴くと楽しいバージョンでも、映像編集に合うとは限りません。Sped upではアクセントの間に動きを収める時間が短くなり、slowedではシーンに余白を増やせます。まず視聴者が何が起きているか理解できることを確認し、それからカットを調整しましょう。音楽のフレーズに合わせた編集の記事で、さらに詳しく説明しています。

このサイトには、MP3のダウンロードが許可された動画用の15曲を集めたページがあります。利用条件は、そこに記載された録音と用途に適用されます。加工したバージョンを公開するには、別途許可が必要です。Slowedやsped upと呼んでも、録音の権利は変わりません。音楽の利用条件をお読みください。

オリジナルを聴き、細部に気づき、自分の気分を最もよく伝えるバージョンを選びましょう。

出典と参考資料

  1. Audacity — 速度と音の高さの変更manual.audacityteam.org
  2. Audacity — テンポの変更manual.audacityteam.org
  3. Audacity — リバーブmanual.audacityteam.org

聴き続ける

次に聴くとき、記事からひとつだけ持ち帰ってみてください。ベースのフレーズ、間、メロディーが戻る形など。

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